ANA・JAL 黒字回復後の修羅#3Photo:PIXTA

全日本空輸(ANA)の総合職社員はコロナ禍の影響で月給カットと賞与激減のダブルパンチを受け、年収が3割もダウン。この結果、十余年前に経営破綻した日本航空に年収で下回るという立場逆転が起きた。が、ここにきて辛酸をなめたANAが再逆転を迎える。特集『ANA・JAL 黒字回復後の修羅』(全13回)の#3では、ANAとJALの年収、賞与、月給を比較する。(ダイヤモンド編集部副編集長 臼井真粧美)

JALの冬賞与1.7カ月に対しANAは2カ月
ANAがJALを再び上回りたい内情

 全日本空輸(ANA)は10月、この冬の賞与を基本給の2カ月分という新型コロナウイルス感染拡大前の水準までついに引き上げた。ライバルの日本航空(JAL)は11月中旬に1.7カ月分を支給する案を提示し、それぞれ労働組合側に示した。

 夏と冬を合わせるとANAは3カ月で、JALが3.2カ月。JALの支給月数が若干上回るが、業績次第で支給が検討される期末賞与分を考慮すると、ANAが3年ぶりにJALを上回る可能性が高くなった。

 ANAの社員はコロナ禍の影響により月給カットと賞与激減のダブルパンチを受け、年収がなんと3割も減少。JALに年収で逆転された。しかしここにきて、ANAが再び逆転しようとしている。

 次ページでは、両社の年収、賞与、月給を比較。ANAが年収でJALに再逆転を果たしておきたい内情に迫る。

ANAとJALの年収、賞与、月給比較のサンプルANAとJALの年収、賞与、月給比較(ボカシ部分は次ページで詳報する)