Twitter買収劇をユーザーはどう見た?離脱宣言に嘲笑、「疲れた」の声もPhoto:Anadolu Agency/gettyimages

10月末にイーロン・マスク氏によるTwitter買収完了が報じられてから、はや数週間。毎日のように新たなニュースが流れるが、ユーザーたちはTwitterが今後どのような方向に向かうのかを予測しかねている。ユーザーたちの反応を追った。(フリーライター 鎌田和歌)

Twitterは右寄りになっていく? ユーザーたちの声

 連日のように、イーロン・マスク氏のTwitter買収が世間をにぎわしている。

 アメリカの実業家で、電気自動車企業テスラの共同創設者などとして知られるイーロン・マスク氏がTwitterを買収するのではないかといううわさは以前から日本でも知られていた。

 しかし、4月に約440億ドルでTwitterを買収すると発表した後、日本での報道は多くはなかった。10月27日に「買収完了」が報道され、「本当にやったのか」と驚いた一般ユーザーは多かったのではないか。

 CEOを即解雇し、Twitterを大改革すると意気込むマスク氏に、一部ユーザーは戦々恐々とし、また別のユーザーたちは困惑している。「デジタル世界における街の広場」を目指すと言いつつも、これまでよりも規制を進めるような発言もあり、日本語ユーザーからするとマスク氏の方針がいまいちつかみづらいところがあるのもその原因だろう。

 特に保守層からの支持を集めているマスク氏はTwitterの「著しい左寄りのバイアス」を軌道修正したいと考えているようだが、この点は日本とアメリカで状況の違いがありそうだ。

 もちろん、アメリカでTwitterが「左寄り」かどうかについても議論は分かれるところだろうが、日本では「ネトウヨ」とも呼ばれる保守的なアカウントがフォロワー数やリツイート数を伸ばす傾向が見られる。日本でのTwitterの使われ方が今後どうなるのか注目される。

 かつて、Twitter日本法人は2020年2月に日本青年会議所(JC)とパートナーシップを結ぶと発表し、批判を浴びた。今年になって麻生太郎氏の長男が会頭に就任したJCだが、2017年には左派的言論に対する攻撃的な不適切発言を繰り返すTwitterアカウント「宇予くん」(現在は削除済み)を開設していたことでも知られる。

 先月には、Twitter日本法人の法務担当者が、自身の実名アカウントで、沖縄・辺野古への米軍基地移設に反対する住民運動に対する攻撃的なツイートをリツイートしたり、国葬反対デモを「いやー、楽しそうで何よりだね(笑)」と冷やかす投稿をしたりしていた事実が指摘されていた。

 混乱する今、Twitterではユーザーたちがどんな言論を繰り広げているのか。状況がつかみづらく今後が予想しづらい中で、4500万人(月間)と言われるTwitterの国内ユーザーたちは、どのような反応をしているのかを見てみたい。