フェニックスバイオは、ヒトの肝細胞を持つキメラマウスである「PXBマウス」などを生産するバイオ関連企業だ。売り上げなどが振るわず、2018年3月期以降5期連続で赤字となっている。特集『選別開始!倒産危険度ランキング2022』(全31回)の#30では、ワースト10位にランクインしたフェニックスバイオの島田卓社長に現状と打開策を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部 山本 輝)
前期は生産不具合で赤字計上も
受注の積み残しで一転黒字に
――2022年3月期は、13.2億円と過去最高の売上高だったにもかかわらず、1.6億円の営業損失を計上しました。
昨年はおおむね計画通りに推移していましたが、8月に生産の不具合が発生して大型試験が延期になってしまったため、残念ながら費用を賄えず赤字になってしまいました。
ですが、医薬品の試験などに活用される当社のPXBマウスへの引き合いは多く、特にバイオ医薬など新しい分野での有用性が認知され始めています。
昨年は大型試験の延期はあったものの、受注を積み残して期を終えることができ、現在の良好な市場環境もあって、今第2四半期は3.6億円と大きな営業黒字を達成しました。一部、上期に売り上げ計上した大型案件もありますが、通期においても黒字の予想です。
旺盛な需要を背景に黒字化への転換を見込むフェニックスバイオ。一方で、好調故の「リスク」もあるという。次ページで、今後の需要の見込みと業績復活に向けた懸念点を島田社長に聞いた。