選別開始!倒産危険度ランキング2022#27Photo:mfto/gettyimages

バイオベンチャーのスリー・ディー・マトリックスは、自己組織化ペプチドの技術を用いた止血材などの医療機器を提供する企業だ。特集『選別開始!倒産危険度ランキング2022』(全31回)の#27では、ワースト4位にランクインした同社の岡田淳社長に現状と打開策を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部 山本 輝)

コロナ禍で手術件数が減り売り上げ減
2024年4月期に全体で黒字化する

――2022年4月期は、売上高23億円、営業損失17億円の期初予想から一転、売上高15億円、営業損失27億円という結果になり、23年4月期の黒字化目標を24年4月期へと先送りしました。その要因は何ですか?

 言い訳にしたくはないですが、前期は新型コロナウイルスの感染拡大にかなり苦しみました。当社の製品である止血材は手術に関連して使われるものなので、コロナ禍で病院が逼迫して手術の件数が減ると、どうしても売り上げが減ります。それが主力地域である欧州とオーストラリアでダイレクトに影響しました。

 ですが、今期は病院が再びシャットダウンしてしまうような事態はないだろうと考えています。また、販売を開始したばかりの日本と米国の売り上げも本格的に貢献してきます。

 地域別に見れば、オーストラリアは去年の段階でもう黒字化しており、ヨーロッパはおそらく今年度黒字化する。日本と米国は少し時間がかかりますが来期に黒字化し、24年4月期に全体で黒字化するという形です。

 いまのところ計画に対して進捗は順調で、黒字化目標達成の蓋然性は非常に高いと考えています。

黒字化に自信を見せる岡田社長。次ページでは、黒字化に必要な主力製品の売り上げや、「継続企業の前提に関する注記事項」(GC注記)が決算書に記載された理由、注記解消のための必達目標について、岡田社長に明かしてもらった。