新たな老後に備えよ。米国の出生率は10年前から低迷し、65歳の米国人の平均寿命は85歳に近づいている。高齢者に対して若者の比率が下がり続ける中、われわれの社会は21世紀半ばには一段と高齢化している可能性が高い。この潮流は米国社会の成り立ちを覆し、現在30歳の人が60代に突入する頃、その生活ぶりは現在60歳の人とは全く違っている公算が大きい。アメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)の政治経済学者ニコラス・エバースタット氏は、もし今の人口傾向が続けば、「急激で非常に顕著な高齢化」を目にする可能性があると指摘。多くの国々で現在、新生児の数が減少している。それは今後数十年間、出産する女性の数が減ることを意味する。世界人口が早ければ今世紀半ばにも縮小し始める準備段階に入ったという人口統計学者の見立てもある。