週末に投開票された台湾の統一地方選で、蔡英文総統の与党・民主進歩党が惨敗した。これを受け、複数の政治評論家が中国との軍事衝突の可能性が低くなると指摘する一方、台湾が中国から一段と巧妙な圧力にさらされる恐れがあると警鐘を鳴らす向きもある。台湾・中国専門家で、米シンクタンク、ジャーマン・マーシャル財団のアジアプログラムを率いるボニー・グレイザー氏は、「中国側は、台湾が必ずしも独立に向かってはいるわけではないと希望を持てる理由を探しているはずだ」と話す。「もし中国が、野党・国民党は政党としての地位を失っていないとの結論に至れば、個人的には良い結果だと考える」。国民党は、中国との緊密な関係を重視している。