円安一服だが、東京都区部の物価が
11月は40年ぶりの上昇率
一時は1ドル150円を突破する急速な円安が進んでいたが、今は140円前後まで円が上昇している。
米国の10月の消費者物価上昇率が事前の予想ほど大きくはなく、FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げペースがそろそろ鈍化するという見方が広がり、米金利の上昇が一服してきた。
今後も、物価上昇率が思ったほど下がらなかったり、米の利上げペースが想定ほど鈍化しないという見方が広がったりして、140円台に円が戻すことは十分に起こり得るが、再び150円を突破するような円安進展のエネルギーはひとまず後退したと考えてよいだろう。
円安の進展を背景に、日本銀行に金融政策の変更を迫る圧力は後退したという見方が広がってくるのは自然な流れだったが、むしろこれからが日銀にとっては政策修正の好機のはずだ。
11月の東京都区部の消費者物価上昇率が40年ぶりの高さになるなど、物価上昇の基調は強い。本来の政策目標である物価目標達成を理由に政策修正の道が開けつつある。