ドルのピークアウト
対円だけではない
ドル円相場は、10月21日に151.95円へ急上昇したが、その後(10月21日と24日)、日本政府・当局はドル売り円買い介入を実施した模様だ。10月27日には145.11円へ反落したことから、あたかも介入でドル高円安が終わったかに見えた。
もっとも、年初から独歩高だったドル相場は、9月下旬あたりから変調を見せている。ドルは、9月下旬に対ポンドや対ユーロで、また10月13日には豪ドルなど資源国通貨に対して年初来ピークを付けた後に下落に転じ、対円では10月21日に、対オフショア人民元では10月31日に下落に転じたかたちとなっている。
ドルが、対主要通貨だけでなく、多くの新興国通貨に対しても下げの動きとなっている一方、米国株や資源価格は、9月下旬から10月半ばにかけて安値を付けた後に上昇に転じている。ドルを米国株や資源の対価と考えれば、両者の上昇はドルの反落圧力となっている。
11月10日に発表された10月の米コアCPI(前年比)は、市場予想を下回り、前月から鈍化すると、ドルのピークアウトが決定的となった。ドル円はその後、11月28日にかけて137.50円へ続落し、150円どころか145円も遠くなった。