ワーキングホリデーをどの国でも
可能にする「デジタルノマドビザ」
オーストラリアがワーケーションの候補地としてよく取り上げられるのは、もともとワーキングホリデー制度が活用されてきたからです。そしてコロナ禍でリモートワークが広がったことで、ほかの国でも同じような働き方が可能になってきているようです。
ハーバード・ビジネス・レビューの記事『「デジタルノマド」のためのビザが地域経済を活性化させる』では、国際的なリモートワーカー「デジタルノマド」を呼び込むためのビザプログラムが各国・地域で増えてきていることが紹介されています。
通常、就労ビザの発給数は、自国民の労働の機会を奪うことがないように抑えられていて、多くの国でかなり厳しい審査と制約が設けられています。ところがデジタルノマドでは「どこかの国にいながら、日本の仕事を続ける」ということになります。就労者は滞在・居住するの国の人の労働機会を奪うことにはならず、むしろ、その地に生活することでお金を投下してくれるかたちになります。
ただ、日本人がこの円安の時期に日本の仕事をしても日本円でしかお金はもらえず、むしろこの状況下で日本以上にインフレの国へ行ってしまうと生きにくくなってしまう可能性があります。そこで、より通貨価値が高まっている米国などの仕事や、最も自分の仕事の価値を認めてもらえる機会のある仕事を、別の国からすればよいのです。
繰り返しになりますが、こういった働き方を可能にしたのはリモートワークの普及のおかげです。日本からリモートワークで米国や欧州の仕事をして、日本で暮らし続けるのもよし。オーストラリアのワーキングホリデーのように、ほかの国へ行って現地の仕事をするというのもよし。そして今や、デジタルノマド用のビザ制度を取り入れ始めた国が増えていることにより、欧州へ行って米国の仕事をするといったことも可能になりました。住むところと働く先の組み合わせは、可能性は無限大になってきています。