「子どもが保育園に入りにくい駅」ランキング【東京23区】上位は1区が独占Photo:PIXTA

日本では少子化が加速しているが、夫婦が子どもを持たない理由の一つに「保育園に落ちるリスク」があるのではないか。だが、このリスクは住む場所を選ぶことで低減できる。そこで今回は、東京23区の中で「子どもが保育園に入りやすい区・入りにくい区」を順位付けしてお届けする。「入りにくい区」については、駅単位まで細分化したランキングも詳しく紹介するので、居住地選びの参考にしてほしい。(スタイルアクト(株)代表取締役/不動産コンサルタント 沖 有人)

「保育園に入れない」リスクは
住む場所を選べば低減できる

 岸田文雄首相が、児童手当などの経済的支援を強化する「異次元の少子化対策」を表明した。その背景には、日本の少子化の深刻さがある。

 2022年における日本の年間出生率は過去最低となり、史上初めて80万人を割り込んだとみられる。近年の非婚化(婚姻件数の減少)が、この傾向を加速させている。

 日本で少子化が起こる主な要因は、(1)夫婦がそもそも子どもを産むことを考えていない、(2)経済的な理由で子どもを産めない、(3)子どもを産みたいが何らかの事情で妊娠しない、(4)子どもが保育園に落ちてしまうリスクがある、などであろう。

 このうち(1)から(3)は一筋縄ではいかない問題だが、(4)の保育園リスクは住む場所を選ぶことで低減できる。

 そこで今回は、東京都が発表しているデータや、筆者が経営するスタイルアクトが独自に集計・調査したデータなどから作成した、東京23区内で「保育園に入りやすい区・入りにくい区」のランキング(2022年版)をお届けする。

「入りにくい区」については、駅単位まで細分化したランキングも合わせて紹介するので、居住地選びの参考にしてほしい。

 具体的な順位に触れる前に、まずは前提知識について解説する。

 保育園への入園を希望しているにもかかわらず、受け入れ先が見つからない「待機児童」の数は、2018年の時点で東京23区内に3352人存在した。だが、2022年はそこから大幅に減少し、32人(21年比で256人減)にまで落ち着いた。