また、制汗剤には主にスプレー、(ボール型のヘッドを転がして塗布する)ロールオン、スティック、クリームという剤型があるが、そのシェアも過去20年で大きく比率が変わってきた。

「2003年の剤型別シェアトップ3は、(1)スプレー76.3%、(2)ロールオン11.5%、(3)ミスト4.4%でしたが、2022年は(1)ロールオン38.4%、(2)スプレー34.6%、(3)スティック17.0%に変化しています。かつてはスプレーのシェアが圧倒的でしたが、現在はロールオンやスティックといった身体に直接塗布する『直(ジカ)ヌリ』商品の伸長が顕著です。さらに、ブランド別シェアを見ても、2003年は1位『8×4』(シェア率30.4%)、2位『Ban』(同22.4%)、3位『Ag』(同12.9%)でしたが、2022年は1位『Ag』(同21.9%)、2位『8×4』(同21.0%)、そして3位が弊社の『デオナチュレ』(同19.7%)です。デオナチュレはスティックタイプの商品が主力であり、より高い防臭力・制汗力を求める直ヌリ商品への需要の高まりとともに、シェアを拡大しています」(井上氏、以下同)

 上記、井上氏のコメントは男女合算の数字であるが、男性市場に絞って見ると、2022年のシェアは1位『8×4MEN』(同34.7%)、2位『男デオナチュレ』(同22.8%)、3位『ギャツビー』(同17.8%)なのだという。

「また、男性市場の直ヌリ剤型に限ったシェアは『男デオナチュレ』が2022年はトップのシェア率(36.2%)を獲得しました。直ヌリ剤型市場では、2017年は『男デオナチュレ』が首位でしたが、2018年から4年間『8×4MEN』の後塵を拝していました。昨年は2017年以来の首位を奪還した形です」

 すでにお気づきかもしれないが、「8×4」「Ag」「Ban」「ギャツビー」はそれぞれ花王、資生堂、ライオン、マンダムという日本を代表する大企業のブランド商品だ。こう見ると、従業員数わずか100人ほどのシービックの健闘ぶりがわかる。