新開発の宇宙食は健康とパフォーマンスに大きなメリット

 米テキサス州ヒューストンにある、実際の宇宙船内の環境を忠実に再現した研究室内で、4人ずつ各45日間、計4回のミッションが行われた。ミッション中、従来の宇宙食と新たに開発された宇宙食を支給。宇宙飛行士からは、唾液、尿、血液、便の検体が採取され、また認知機能を評価するテストが行われた。なお、新たに開発された宇宙食は従来のものに比べて、果物、野菜、魚、フラボノイド、オメガ3脂肪酸をより多く含むように改良されていた。

 検討の結果、改良された宇宙食が支給される条件では、1日あたりの野菜・果物の摂取量が2.34±0.34サービング増え、魚の摂取量は5.25±1.52gオンス(150g弱)増えていた。また、コレステロールの低下、ストレスの軽減を意味するコルチゾールの低下が観察され、さらに、認知機能(処理速度、正確性、注意力)の向上も認められた。腸内細菌叢の安定性も、改良された宇宙食支給時の方が優れていた。免疫応答には変化は認められず、感染症の発生などのトラブルは生じなかった。

 これらの結果に基づきDouglas氏らは、「新開発の宇宙食は健康とパフォーマンスに大きなメリットをもたらし、宇宙飛行士にとっては例え短期間のミッションであっても有益なものとなり得る」と結論付けている。その上で、「より健康的な宇宙食の確立のため、さらなる研究が求められる。食料は宇宙開発に必要不可欠であり、リスクが最小化されメリットが最大化された宇宙食によって、地球周回軌道をはるかに超える将来の宇宙探査ミッションの安全な施行が可能となる」と述べている。(HealthDay News 2022年12月26日)

https://consumer.healthday.com/astronaut-health-2658958330.html

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