腐って沈む床を
ガムテープで補修
まずは北海道にある築50年弱の官舎を紹介する。
外観は10年ほど前に塗装し直したのできれいに見えるが、部屋の中は老朽化したままだ。この棟は入居率25%で、ほとんど人が住んでいない。その理由について、隊員が官舎係に尋ねたところ、次のような返事が返ってきた。
「入居できない部屋は床がぶよぶよで抜け落ちる可能性があるため、新規の入居ができない状態。修繕予算が出るかは未定のため、今後も改善されないだろう」
冒頭の写真を見ると、フローリングの床に粘着テープが貼られているが、これは床が腐って壊れた部分を「補修」したところだ。
次の写真はフローリングの床だ。床板のあちこちが腐って浮き上がっている。
この隊員は、結局、この官舎に住むことになったが、「床板に段差ができるのは床下の基礎が腐食や損傷しているからだと思います。居間に4カ所、台所に3カ所、浮き沈みする箇所があります。他にも気を使いながらソッと歩かなければ抜け落ちそうな箇所が多数あります」と、諦め顔だ。
サビと塩だらけの
生涯で最もボロい家
九州の官舎に住む隊員は、入居初日から、その住まいのひどさにぼうぜんとすることになった。
「官舎の建物に入る前のドアポケットを見ただけで、寒気がするような光景が広がっていました。ドアの塗装もあちこちはげ落ち、ドアポケット内は赤サビだらけの部屋が隊員に割り当てられた官舎でした」