貯金と株式投資では手に入らない「人とのつながり」

 老後のために「貯金」や「株式投資」を行うのはすばらしいことです。それに加えて私は第3の選択肢として「定年後も働く」ことを提案します。サラリーマン・公務員の皆さんは「自分には無理だ」と思われるかもしれません。もちろんフリーランスとして働くことには性格的な「向き・不向き」があります。性格さえ向いていればなれるものではなく、そこには努力も必要です。しかも準備には時間もかかります。その意味で「誰にでもできる簡単なお仕事です」というものではありません。

 しかし、もし定年後にフリーランスとして働けるようになれば、貯金や株式投資では手に入らない財産が手に入ります――それは「人とのつながり」です。老後に必要なものは「お金」だけではありません。それにも増して大切なのは身体と心の「健康」です。

 年齢を重ねた人間にとって身体の健康を保つのが大切であるのは当然ですが、サラリーマンの方にとって心配なのは「心の健康」です。必死に働いてきた定年前とヒマを持て余す定年後に差がありすぎ、心の健康を害してしまう例があまりにも多いのです。それを回避するには、できれば定年後もやりがいがある仕事で働くほうがいい。働くことさえできれば、ヒマは有意義な時間に変わり、孤独は「人とのつながり」に変わります。もちろん「働きたくない」方が無理して働くことはありません。

 ただ「自分はまだ働きたい」と思う方がいれば、定年後もぜひ働いてください。その年齢で「雇われる」ことはなかなか難しいのなら、定年後はフリーランスとして働きましょう。現役サラリーマンの方は会社で働きつつ、いつかフリーランスに変身することを目指してください。私自身は若い頃からフリーランスとしてがむしゃらに働いてきましたが、それを皆さんに勧めるつもりはありません。年配の皆さんは「好きな仕事を好きな時間だけ働く」フリーランスを目指しましょう。

 フリーランスとして何の仕事を選ぶかはもちろん本人の自由ですが、私は「サービス業」をオススメします。なぜなら自分自身が商品のサービス業にはほとんど初期投資がかかりません。それゆえ小さく仕事を始めることができます。

・サラリーマンからフリーランスへ変身する
・好きな仕事を好きな時間だけ働く
・サービス業で小さく仕事を始める

 人生100年時代、定年後も働くことを考えましょう。これらの特徴をもつフリーランスのことを「令和フリーランス」と名付けます。