ボンディーを追えば
メタバースの行方も分かる?

 以上が座談会の内容です。いかがだったでしょうか。

「若者の間でメタバースアプリが流行している」という点に興味を持った人にとっては、やや意外な内容だったかもしれません。

新SNS「ボンディー」はTwitter・インスタを駆逐する?【原田曜平×Z世代座談会】原田曜平(はらだ ようへい)/1977年4月4日生まれのマーケティングアナリスト。芝浦工業大学・教授、信州大学・特任教授、レイヤーズ・コンサルティング顧問などを務める。ワタナベエンターテインメント所属。専門は日本や世界の若者の消費・メディア行動研究及びマーケティング。2013年「さとり世代」、2014年「マイルドヤンキー」がユーキャン新語・流行語大賞にノミネート。この他にも「伊達マスク」など様々な流行語を作り出している。

 彼・彼女らは、「メタバースだから」という理由ではなく、投稿のハードルの低さや少人数制に魅力を感じてボンディーを使っていました。

 メタバースという概念が世界的に注目され、世界中の企業がこの領域に投資していますが、実は日本はメタバース先進国です。

 古いものでは「PostPet」や「アメーバピグ」、新しいものでは「どうぶつの森」や「トモダチコレクション」など、仮想世界を取り入れたWebサービスやゲームが当たり前のように存在してきました。

 もしかすると、Z世代だけでなく30~40代前半の人までもが「仮想世界に親しんできた」と言えるかもしれません。

 そんな日本で、SNSという身近な存在とメタバースが組み合わさり、若者の中で一つのムーブメントになっている。この状況が続くかどうかで、果たして「メタバース社会」が本当に到来するのかどうかが分かる気がします。

 ボンディーは単なる「若者の流行」にとどまらず、メタバースの行方を見通す上での試金石だと言えるので、今後も動向を継続的に追っていきます。