メタバースの要素を取り入れた新感覚SNS「ボンディー」が日本に上陸し、若者の間で話題になっています。ですが、未体験の人や大人の中には「どこが面白いの?」と疑問を持つ人がいるかもしれません。そうした層にも、若者のリアルな熱量や評価を感じてもらうべく、現役大学生と筆者で座談会を行いました。その中で語られた「意外な魅力」とは何だったのでしょうか。(芝浦工業大学教授 原田曜平)
Z世代研究家が注目の
新SNS「ボンディー」とは
Z世代の研究を行っている、芝浦工業大学教授の原田曜平です。皆さんは今、Z世代の若者の間で急速に広がりつつある「要注目のSNS」をご存じでしょうか。
もちろん、TwitterやInstagram、TikTok、SnapchatといったおなじみのSNSではありません。
大流行の兆しを見せているのは、シンガポールの企業・Metadreamが開発し、1月末に日本上陸を果たしたばかりの新しいSNSで、その名を「Bondee(ボンディー)」といいます。
ボンディーの最大の特徴は、メタバース(仮想空間)の要素を取り入れていること。ユーザーは自分のアバターを簡単に作成できるほか、仮想空間の中で友人たちとコミュニケーションを取ることもできます。
アバターは、肌の色・髪形・ファッションに至るまで、自分好みにカスタマイズできます。ボンディーの世界には「スペース」と呼ばれる自宅もあり、家具や壁紙を入れ替えて楽しめます。
他のユーザーを「友だち」に登録すれば、その人のアバターが画面に出現。お互いの家を行き来したり、チャットを送り合ったりと交流できるようになります。
メニューの中から「仕事中」「運動中」などの選択肢を選ぶと、自分のアバターがその行動を再現し、今の状況を周囲に伝えてくれる「ステータス」機能も存在します。友人が今、何をしているのかもこのアバターのステータスで分かります。
現時点で「友だち」の上限は50人となっており、交流できる範囲が限定的であることも特徴の一つです。
ざっくりとした使い方を説明してきましたが、未体験の人もどんなアプリなのかイメージできたでしょうか。若者たちの間では今、Instagramの「ストーリーズ」などに自身のアバターやスペースを投稿したり、QRコードを投稿して「友だち」を募集したりといった行動が盛んに行われています。
ただ、大人の中には、急速に広がっているこのSNS自体を知らなかったり、「いったいどこが面白いの?」と感じていたりする人がいるかもしれません。「音声SNS『Clubhouse』のように、すぐに下火になるでしょ」と冷めた目で見ている人もいるでしょう。
そこで今回は、そうした層にも若者のリアルな熱量や評価を感じてもらうべく、実際にボンディーを使っている現役大学生にインタビューを行いました。ここからはその模様を、筆者も交えた座談会形式でお届けします。