東急Photo:PIXTA

コロナ禍の収束を待たずに、今度は資源・資材の高騰や円安が企業を揺さぶっている。上場100社超、30業界を上回る月次業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「コロナで明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、2022年10〜12月度の鉄道(私鉄)編だ。

私鉄5社、
3カ月連続前年実績を上回っているが…

 鉄道(私鉄)の主要5社が発表した2022年10〜12月度の月次業績データは、以下の結果となった。

◯東急電鉄(東急)の運賃収入
 10月度:前年同月比109.2%(9.2%増)
 11月度:同104.6%(4.6%増)
 12月度:同103.6%(3.6%増)

◯小田急電鉄の運輸収入
 10月度:前年同月比112.4%(12.4%増)
 11月度:同105.6%(5.6%増)
 12月度:同104.1%(4.1%増)

◯京王電鉄の旅客運輸収入
 10月度:前年同月比109.7%(9.7%増)
 11月度:同104.4%(4.4%増)
 12月度:同102.5%(2.5%増)

◯東武鉄道の運輸収入
 10月度:前年同月比111.4%(11.4%増)
 11月度:同104.4%(4.4%増)
 12月度:同103.5%(3.5%増)

◯西武鉄道(西武ホールディングス〈HD〉)の運輸収入
 10月度:前年同月比108.9%(8.9%増)
 11月度:同103.9%(3.9%増)
 12月度:同102.2%(2.2%増)

 今回取り上げた私鉄主要5社の22年10~12月の月次業績を見ると、全社そろって3カ月連続で前年実績を上回っている。鉄道は新型コロナウイルス感染拡大による行動制限で、大きな打撃を受けた業界の一つだ。だが、昨年夏以降の行動制限の解除により人々の外出機会が増加しており、それらの需要を取り込んだ鉄道各社の業績も着実に回復してきている。

 特にこの私鉄5社は、首都圏が主な営業エリアであることから、オフィス回帰の流れも業績にプラスの効果をもたらしている。 

 ただ、回復基調にはあるものの、コロナ禍での業績の落ち込みが激しかったため、コロナ前の水準と比較して見る必要がある。すると、「全社そろって3カ月連続で前年同月比増収」という印象とは全く異なる、コロナ禍で受けたダメージの大きさを再認識させられる数字が浮かび上がった。

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