そもそも「座りっぱなし」の日本人の健康は悪化の一途?

 健康を害する最大の原因は「座りっぱなし」だという。

「2020年11月に公表された『WHO身体活動・座位行動ガイドライン(日本語版)』でも、すべての年を対象で座位行動、つまり座りっぱなしの時間を減らすことが推奨されているように、さまざまな研究で座りっぱなしは健康を大きく損なうことがわかってきています」(津下教授)

 そんな危険な「悪習」を、実は日本のサラリーマンは世界トップレベルで実践しているという現実がある。世界20の国や地域の平日の座位時間の調査によれば、日本人はトップの「1日420分」(7時間)だったという。

 つまり、たたでさえ座りっぱなしだった日本人が在宅勤務でWeb会議漬けになってしまうことで、座位時間が7時間以上となり、体を壊してしまう恐れがあるのだ。

 このような話を聞くと、「確かに座りっぱなしが体に悪いというのはわかるが、オフィスに出勤したところで、朝から夕方まで自分の席で座りっぱなしというような人は、在宅でのテレワークとさほど変わらないのでは?」と感じる人もいらっしゃるかもしれない。

 しかし、津下教授によれば、それは大きな誤解だという。

「在宅でテレワークの場合、トレイの往復やキッチンでコーヒーを入れる程度ですが、オフィスで働いている際には、自分のデスクから会議室まで歩かなければいけないですし、会議のハシゴが続く時、会議室が変わるようであれば移動をしなくてはいけません。場合によっては、フロア間の移動もあるでしょう。そこに加えて、参加者に配布する資料を印刷するなどの事前準備があればもっと体を動かします。実は日本のサラリーマンというのは会社に出勤しているだけでもそれなりの身体活動量を確保することができたいたのです」(津下教授)

 その象徴が「通勤」だという。