「コミュニケーションは“お笑い”のスキルでもっとうまくいきます」。そう語るのは、元芸人でネタ作家の芝山大補氏だ。芸人300組以上のネタ制作に携わった経験を活かし、ビジネスパーソンから一般の方まで幅広い層に「コミュニケーションに活きる笑いのスキル」を教えている。そのノウハウをまとめた初の著書『おもろい話し方 ~芸人だけが知っているウケる会話の法則』が話題を集めている。「初対面でも会話が続く人がやっていること」「トークで相手を引き込むコツ」「相手の心に10倍響く“感想”の伝え方」「好かれるリアクションの極意」「すべらない話の作り方」「お笑いタイプ診断」など、元芸人ならではのコミュニケーションノウハウが満載の一冊だ。今回は、その芝山氏にコミュ力を高めるコツを聞いてみた。
「おもろワード」で、会話は1.25倍おもしろくなる
今回は、会話を「1.25倍」おもしろくする方法を紹介します。
その方法は、「おもろワード」を使うことです。
ちょっとした「当たり前の言い回し」を、少しだけ「引っ掛かりのある表現」に変える。それだけで、「あの人はおもしろい」「センスがある」と感じさせることができます。
芸人のようにボケやツッコミができなくても、ちょっとした「表現の変更」で会話はおもしろくできるのです。
今回は、今日からすぐに使える「おもろワード」を2つ紹介します。
おもろワード①「ハイブリット」
「ハイブリット」とは、2つの側面を持つものを言います。
たとえば、「イケメン」かつ「優しい人」がいたとして……
→「あいつ、イケメンと優しさのハイブリットだよね」
このように、2つの側面を持つ人や状況を「ハイブリット」と表現すると、少し引っ掛かりが出ておもしろくなります。
おもろワード②「ジェネリック」
「ジェネリック医薬品」の普及から、ジェネリックという言葉には「下位互換」「同じものなのに安い」というイメージがあります。
この言葉の特徴をうまく使うと、おもしろい表現ができます。
→「斎藤さんって、芸能人の●●のジェネリック版だよね」
このように、少し毒を吐いた場合でも笑いにつながりやすくなるのでオススメです。
ほかにも、「全部ひとりでやる→ワンオペ」「豪快な人→ヤンチャ」「自分自身でやってしまう→セルフ●●」など、言い換えるだけで会話が少しおもしろくなる「おもろワード」がたくさんあります。
芸人のトークではこうした表現をよく使っているので、ぜひマネしてみてくださいね。
芝山大補(しばやま・だいすけ)
ネタ作家
1986年兵庫県生まれ。2007年、NSC大阪校に入学。2009年、2011年には、それぞれ別のコンビでキングオブコント準決勝進出。2015年にはフワちゃんと「SF世紀宇宙の子」を結成。同コンビを解散後は、ネタ作家に転身。賞レースのファイナリスト、セミファイナリストなど、芸人300組以上のネタ制作に携わる。2019年からは、「笑いの力で人間関係に悩む人を救いたい」という想いから、お笑いの技術を言語化して伝える「笑わせ学」に取り組む。講義やイベントでの指導、YouTubeやTikTokでの活動を通じて、多くの人に芸人の技術を伝えている。発売から続々重版が決まっている初の著書『おもろい話し方』が絶賛発売中。