◇印象は表情で決まる
ビジネスパーソンたるもの服装には注意せよとよく言われる。だが、実際は人の印象は服装よりも表情で決まる。スコットランドのアバディーン大学のピース・マイルズは、様々なTシャツを着たモデルの写真を見せ、Tシャツの評価を求める実験を行った。その結果、どんなTシャツであっても、モデルが笑顔ならば評価が高く、モデルが無表情ならば評価が低いことがわかった。
つまり、どんなに服装に気を遣っていても、ムスッとしていたら良い印象を与えることはないということだ。普段から微笑みを浮かべることができれば、どんな服であれ好印象になる。
また、“笑顔には感染効果”がある。自分の顔が和やかであれば、相手もそれにつられて笑顔になる。場の雰囲気を明るくしたいなら、まずは自分から愛嬌をふりまいてみよう。きっとその気持ちが伝染し、周囲の態度や対応ががらりと変わるかもしれない。
◆成功する経営の心理法則
◇食べ物に高級感を与える方法
同じ食べ物でも美味しく感じさせたいのであれば、「儀式」を追加することが効果的だ。
ミネソタ大学のキャサリン・ボーズは、大学生にチョコレートの試食をしてもらう実験を行った。学生を2つのグループに分け、片方のグループには「儀式」を追加した。「まずチョコバーの包みを開ける前に、チョコバーを2つに折ってください。それから包みを半分だけ開けて食べてください。次に、残りの包みを開けて食べてください」と指示を出したのだ。同じチョコを食べてもらったにもかかわらず、儀式を追加したグループのほうが、味の評価が高くなった。
また、スペインのバレンシア工科大学のベティナ・ピケラス・フィッツマンの実験では、同じ食べ物でも器を重くすると、それだけでおいしくて高級感を感じやすくなるという結果が出ている。飲食店では味だけでなく、料理を提供するプロセスにも気を配ると顧客満足度が高くなるだろう。