約20兆円の巨額貿易赤字
背景に注目すべき構造的変化
2022年の貿易収支は、約20兆円という巨額の赤字になった。
大きな要因は ウクライナ戦争などによる資源価格高騰で鉱物性燃料の貿易赤字が、21年の16.0兆円から22年の31.3兆円へと15.3兆円も増えたことだ。
しかしそれだけではなく、長期的に進んでいる貿易の構造的な変化の影響もある。
これまでの日本の貿易収支は、鉱物性燃料の収支は赤字でも、機械などの資本財と自動車の収支が黒字という構造が続いてきた。
資本財も乗用車もモノづくりだ。日本はソフトウェアは弱いが、モノづくりは強いと、今まで考えられてきたし、実際にそうだった。
しかし、この構造が変わってきているのだ。
鉱物性燃料の輸入額急増はたぶん一時的なもので、元に戻る可能性が強い。しかし、構造的な変化は継続する可能性が高い。
日本をこれまで支えてきた「屋台骨」がぐらついているのだ。