(1)について、最近注目されているのが、NFT(非代替性トークン/Non-Fungible Tokenの略語)技術を活用したデジタル資産だろう。「富裕層の節税対策『美術品・骨董品の相続』で損しない方法」(2022年3月11日掲載)のコラムにも書いたが、国際市場でNFTアートなどが取引されるようになって、話題を呼んでいる。

 最新デジタル技術を駆使したデジタル資産が次々と生まれる中、日本政府もこの状況に手をこまねいて看過しているわけにはいかない。23年1月13日、国税庁がNFTについての税務上の取り扱いをまとめたFAQを公表した。相続税・贈与税に関しては、以下のような見解が述べられている。

 個人から経済的価値のあるNFTを贈与又は相続若しくは遺贈により取得した場合には、その内容や性質、取引実態等を勘案し、その価額を個別に評価した上で、贈与税又は相続税が課されます。

 また、22年6月7日に「デジタル社会の実現に向けた重点計画」が閣議決定されたが、「ブロックチェーン技術を基盤とするNFT(非代替性トークン)の利用等のWeb3.0の推進に向けた環境整備」が盛り込まれている。デジタル庁もこれに対応し、22年10月5日から10数回にわたって「Web3.0研究会」と称した有識者会議を開催している。