経済学者や経営学者、エコノミスト138人が選んだ経済、経営に関わる良書をランキング形式でお届けする特集『ベスト経済書・ビジネス書大賞2022』(全8回)。40年ぶりの高インフレと大幅な円安に見舞われた日本経済。2022年のベスト経済書の顔触れにもそうした世相が反映され、物価や金融政策に関する書がランクインした。加えて、起業や中小企業の在り方を探究したものも上位に入った。20年のランキング以降続く、停滞する日本経済の活路を探る動きが表れたものといえる。#1では、10位までの結果を紹介する。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋)
インフレの年だった2022年
ランキングにもその世相が反映
FRB(米連邦準備制度理事会)のグリーンスパン元議長はかつて、物価の安定を「経済主体(家計や企業など)が、将来の物価の上昇・下落を気にすることなく、消費や投資を行える状態」と定義した。その意味で2022年は、家計や企業が物価上昇、インフレを気にせざるを得なかった年だった。
22年のベスト経済書のランキングにもそうした世相が反映された。次ページ以降、その顔ぶれを見てこう。