経済学者や経営学者、エコノミスト138人が選んだ経済、経営に関わる良書をランキング形式でお届けする特集『ベスト経済書・ビジネス書大賞2022』(全8回)。#2では、1位の『物価とは何か』の著者、渡辺努・東京大学大学院経済学研究科教授に、本書を表した動機、物価の面白さについて語ってもらった。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋)
物価の面白さを
伝えられる本
研究者の仕事は、論文を書くこと。本を書いても学者としての実績にはならないので、本は書かないというのが一般的だ。
ただ、長年物価のことを研究していろいろな面白いことが分かってきたので、多くの人に物価の面白さを伝えられる本を書いてみようかなと漠然と考えていた。
ちょうどその頃、講談社の編集者から企画をいただいた。経済専門の出版社ではないものの、相談していると多くの人に読んでもらえるような内容に出来上がると思い、書き始めることにした。
本書は、多くの人が抱いている経済に対する感覚を、もう一段階鋭くする材料を提供している。私はとにかくお手伝いに徹したので、主張は押し出していない。