うまくいく卒婚には、夫婦間コミュニケーションが必須

 このように、離婚はせずに自由に暮らす卒婚にも、メリットだけではなくデメリットもあります。家庭から解放され、羽を伸ばして好き勝手に暮らしているうちに、パートナー以外の人を本気で好きになってしまったり、もっと大事な人ができてしまったりする場合もある、ということです。

 それを防ぐためには、卒婚の関係であっても「定期的に連絡を取り合い、こまめに近況報告をする」「相手を思いやる気持ちは、きちんと言葉で伝え合う」ということを欠かしてはいけません。

 同居生活を続ける場合でも、卒婚で離れて暮らす場合でも、結婚生活において変わらず大切にしたいのは「お互いを認め合い、思いやれる関係で添い遂げるパートナーシップを目指す」ということなのです。

 ちなみに、私が夫婦問題の相談を受けている中で、「離婚するより卒婚という選択肢も考えてみては?」とうながすパターンが3つあります。具体的には、次の通りです。

■離婚に踏み切る前に、卒婚を考えたほうがいいパターン
1. 「離婚をしたら自分が損する」なら離婚より卒婚
2. 「まだ相手に愛情や尊敬の気持ちが残っている」なら離婚より卒婚
3. 「これまで苦楽を共にしてきた同志愛が残っている」なら離婚より卒婚

 私の経験上、「もうダメかもしれない」と追い詰められて離婚を考えることになっても、8割は修復の可能性があります。最終的に離婚という決断をする前に、修復のために“打つべき手”はいくつも存在するということです。