米シリコンバレー銀行(SVB)とシグネチャー銀行の経営破綻は、米連邦準備制度理事会(FRB)当局者が来週21~22日開催予定の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを見合わせるべき二つの正当な根拠を示した。一方、14日発表された2月の米消費者物価指数(CPI)は、FRBがこれまで利上げ方針を堅持してきた理由を再確認させる内容だった。今年に入り、FRBの金融政策を巡る投資家の見通しは大きく揺れ動いている。年初はインフレが鈍化したことで、FRBが3月会合でフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.25ポイント引き上げ、その後は金利水準を据え置くとの見立てが優勢だった。だが、1月の米雇用統計が市場予想を大きく上回り、各種インフレ指標も予想外の強さを示したことで、そうした見方は一変した。ジェローム・パウエルFRB議長のタカ派的な議会証言も材料視され、8日にはFF金利先物市場が織り込む3月会合での0.25ポイント利上げの予想確率が低下した一方、0.50ポイントを見込む確率は80%近くに急上昇した。