国会欠席の理由は
「不当逮捕の恐れ」

 ガーシー容疑者を巡るドタバタ劇は事件と政治の手続き両面で入り乱れているので、背景などを簡潔に整理しておきたい。

 ガーシー容疑者が有名になったユーチューブは、再生回数で投稿者に収益が入る仕組みになっている。2010年代半ばから利用者が増え、ガーシー容疑者のようにゴシップネタを投稿するユーチューバーは「暴露系」と呼ばれる。

 注目されることがダイレクトに収益となるため、内容は必然的に過激になっていき、さらにはさまざまな芸能人の名前をかたって詐欺行為をしたなどとして被害届を出され、ドバイに逃亡。その逃亡先から容疑となった動画などの投稿を続けていた。

 知名度を得たガーシー容疑者は、昨年7月10日に投開票された参院選に「NHK党」(当時)から比例代表で立候補し、個人得票28万票余を得て同党の得票数1位で初当選を果たした。

 しかし「詐欺容疑で捜査されており、帰国すると不当に逮捕される恐れがある」として、同8月3日と同10月3日召集の臨時国会をいずれも欠席。「政治経済事情調査」を理由とした海外渡航届を参院に提出していたが、議運委理事会は「納得いく理由がない」などとして全会一致で不許可としていた。