NHK党のガーシー氏は、「除名」となるのか、もしくは「戒告」などの事実上の無罪を勝ち取るのか。その鍵を握るのが、参議院懲罰委員会の委員長、鈴木宗男氏(日本維新の会)だ。ガーシー氏はこれまで「オレも何回もゆうてる オレをやめさせれるのは、ハゲ散らかしたムネオハウスやなく、オレに票入れてくれて有権者だけやと! こんなしょぼくれたジジイに参議院議員にしてもろたんちゃうわー 勘違いすな」などと自身のインスタで徹底的に鈴木氏を揶揄してきた。果たして、ガーシー氏の処分はどうなるのか。イトモス研究所所長の小倉健一氏が、鈴木宗男氏へ直撃インタビューした。(小倉健一 イトモス研究所所長)
ガーシー氏には
どんな処分が下るのか
昨年の参議院選挙での当選から、一度も国会へと登院していない、NHK党のガーシー(東谷義和)参議院議員に対する処分の検討が、2月10日、参議院懲罰委員会で始まった。懲罰委員会理事会は、2月16日正午までに、弁明希望の有無を文書で回答するようNHK党に求めた。
ガーシー氏は、現在、アラブ首長国連邦(UAE)に滞在していて、NHK党はオンラインでの弁明を求めているが、認められない公算だ。懲罰委員会は、3月に参院予算委員会が始まることを念頭に、2月中の結論を急いでいて、ガーシー氏に対する第2回懲罰委員会(鈴木宗男委員長)が2月21日に開会し、処分が下される見込みとなっている。
今後、懲罰委員会は、下記のいずれかの処分を下すことになる。
1.議場での戒告
2.議場での陳謝
3.一定期間の登院停止
4.除名
国会議員の懲罰に関しては、日本国憲法58条第2項に「両議院は、各々その会議その他の手続及び内部の規律に関する規則を定め、又、院内の秩序をみだした議員を懲罰することができる。但し、議員を除名するには、出席議員の三分の二以上の多数による議決を必要とする」とある。過去の懲罰例を見てみると、そのほとんどが「登院停止」処分となっている。
実際に、出席議員の3分の2以上の多数を得て、除名処分、つまり国会議員が辞めさせられたという事例は2回しかないが、除名処分が3分の2の賛成を得て可決されれば、ガーシー氏は議員の身分を失うことになる。
登院しないガーシー氏に
「登院停止」処分は失笑を買う恐れ
国会議員が国会欠席を理由に懲罰委員会に付される憲政史上初の事例となったことで「即刻、除名」とする強硬意見もある一方で、議場での陳謝または参院議長による戒告が有力視されている。
少なくとも、そもそも登院していないガーシー氏に、登院停止を命じることは、国民から失笑を買う恐れがあるため、「それだけは避けたい」とするのが専らの情勢だ。なんらかの処分が下りることになれば、参議院では2013年に無許可で北朝鮮に訪問したアントニオ猪木氏が30日間の登院停止となって以来の出来事となる。