バリューとグロースという言葉を並列で使う場合、一般的にはバリュー株は、長く一部上場企業(現東証プライム)でいるような伝統的な企業群を指し、グロース株はマザーズ(現東証グロース)などに上場するような、AIや宇宙関連の会社などをイメージすればいいと思います。米市場であれば、バリューがNYダウでグロースがナスダックでしょう。

金利上昇が厳しくなる中で
債券とグロース株投資に妙味

 ここまで理解した上で、次の話に入ります。

 今回の高速利上げによる金利上昇と大手金融機関の破綻により、これ以上金利が上昇できない場合、「金利が上昇しないので債券価格は下落しづらい」局面となります。つまり債券投資に妙味があるということです。そもそも米ドル建て債券は高金利ですので黙ってクーポンを受け取り続けながらのんびり放置することができます(もちろん今回のクレディ・スイスのように経営危機にならないことが大前提となります)。

 また、株式投資であれば、金利上昇局面はバリュー株投資が良く、金利低下局面はグロース株投資が良いです。実際、コロナ禍の低金利局面で米ナスダック銘柄が上昇したのも記憶に新しいところです。そして米FRBの高速利上げ局面でナスダックは暴落しました。

 最後に、現在の金融政策を巡る状況としては「インフレ抑制と金融危機の両方を収める」ことになり非常に難しいことでしょう。

 さらに実際投資する段には「2年債なのか長期債なのか」「グロース株ならどの銘柄がいいのか」など考えるべきポイントはいくつもありますが、今後のマーケットの動向を見ながら、まずはこの2つをチェックしておくべきと考えています。