シリコンバレーバンク、シグネチャーバンクの経営破綻に、クレディ・スイスの信用不安…欧米で金融危機が相次いでいます。「海外の話だし、リーマンショックよりも範囲が限定的でしょ?」と思った方、今後、危機に直面するのは私たちかもしれません。実は、今回の騒動で私たちは「日銀の心配」を真剣にしなければいけないのです。(百年コンサルティング代表 鈴木貴博)
欧米で相次ぐ金融不安
日本にとってのリスクは?
3月10日にアメリカのシリコンバレーバンクが経営破綻し、その直後の12日、ニューヨークのシグネチャーバンクも同様の経営危機に追い込まれました。さらに15日には、欧州を代表する銀行であるクレディ・スイスの信用不安が表面化しました。
この間、日経平均も大揺れで3月9日の始値と比較すると3月16日の最安値は2000円以上も売り込まれる展開になりました。リーマンショックのときもそうでしたが、欧米の金融危機とはいっても、日本株やひいては日本経済に悪影響が起きるのでは気を抜くことはできません。
結論から言えば、この金融危機にアメリカ政府、スイス政府、さらにはG7各国が迅速に火消しに動いたことで現時点では金融危機は回避されたと市場関係者は捉えています。また、今回の金融危機はリーマンショックよりは範囲が限定的だとも捉えられています。
ただし、日本にはある見落とせないリスクが存在しています。すぐに飛び火することはないでしょうけれども、日本人のビジネスパーソンはこのことを注視しておくほうがいいと思います。
日本にとって今回の金融危機はどのような意味を持つのか? どこに将来のリスクが存在するのか? あらためてそのメカニズムを確認しておきましょう。