社会風土が変わり
「リケジョは当たり前」になってもいい
そうした状況を変えるために、われわれにできることは、世の中に「そういうもの」があるという事実を受け止めた上で、そのどこが間違っていて、どこまでが正しいのかを知ること。そして、しっかりとした判断軸、いわば「自分の物差し」を持つことではないか。
「リケジョになること」も魅力的な選択肢であり、女性が理系に進むのも当たり前である――。そうした価値観を多くの人が共有できれば、社会風土も変わっていくはずだ。
本書は単に「理系に女性が少ない理由」を学べるだけでなく、人々の意識の根底に潜むステレオタイプとの向き合い方についても考えさせられる一冊だ。
ジェンダーに限らず、日本社会の「そういうもの」に一度でも疑問を持ったことがある方は、ぜひ手に取って見識を深めていただきたい。
(情報工場チーフ・エディター 吉川清史)