*言語的知能:文章を書くことや言葉に興味がある。読書好き。
*論理・数学的知能:数量に興味があり、分析するのが好き。科学的なことに対する理解が早い。
*空間的知能:言葉で説明されるより、絵や図、写真などビジュアル重視で説明された方が理解しやすい。
*音楽的知能:歌や楽器演奏が上手で、音を聞き分けられたり、メロディをすぐに覚えられたりする。本や教材を音読や歌にするなど、声に出すと学習がうまく運ぶ。
*身体運動的知能:実験や道具を使うなど、実際に手や体を動かしながら集中させる。
*対人的知能:1人でやるより他の人と一緒にやる方がはかどる。
*内省的知能:1人でじっくり考え、困った時も自分で解決できる。
*博物的知能:特定の物事に詳しく、図鑑好き。観察力がある。

さまざまな英単語の学習法には一長一短がある

 例えば「書く」ことが好きな言語的知能と「動かす」ことが得意な身体運動的知能が両方強いタイプは、「手を動かして単語を書きまくって覚える。単語帳を1ページずつ、全部覚えられたらそのページを破いて捨てる。全部なくなったらまた新しいのを買い直し、3~4冊つぶす」といった方法を選んでいますし、論理・数学的知能が強いタイプは、「接頭辞や語源といったパーツに注目してそのニュアンスを推測し、芋づる式に単語を覚える」という語源学習で進めています。

 あるいは空間的知能が強ければ、ビジュアルやイメージとして単語を捉えるのが向いているので、「毎日単語帳1冊全部をざっと眺める」「覚えにくい単語はGoogleの画像検索で出てきた絵のイメージで覚える」。言語的知能と空間的知能の組み合わせなら、「自分の周囲にあるものに英語を書いた付箋を貼っていくように覚える」「身近なヒトやモノで印象深い例文をつくる」といった方法が有効のようです。

 ただし、第二言語習得の専門家である立教大学異文化コミュニケーション学部の中田達也准教授によると、こうしたさまざまな英単語の学習法には一長一短があり、ひとつの方法だけでは使用できる単語に制限があったり、深い語彙知識が得られなかったり、視覚的な勉強だけでは音の練習が足りず、聴覚型だと単語の綴りが身につかなかったりするなど、「あらゆる語彙のあらゆる知識を結果的に習得できるような完璧な学習法は存在しない」といいます。自分にフィットする方法を活かしつつ、それでカバーしきれない部分は別の方法で補っていく必要があることは知っておくといいでしょう。