アウフグースのための最高の舞台
100人入れるサウナを建設

 ドイツのアウフグース(ロウリュによって発生した蒸気をタオルなどであおいで熱風を送ること)の歴史は、サウナで清掃したり、メンテナンス・接客をしている裏方のスタッフにスポットライトを当てるという目的で始まりました。それが次第にエンターテイメント化していったんです。

 2019年、オランダで行われたアウフグースの世界大会に初めて行きました。そのとき、100人、200人と人が集まるのを見て、すごい数の人々を魅了するんだなと感じたんです。帰国してからは、僕はあまり細かいことは言わず、うちのアウフグースマスターで芸人もやっている、箸休めサトシくんをはじめスタッフたちに任せました。

 すると、自分たちでいろいろと工夫をしてくれて。アウフグースのお客さんって本当にみんな笑顔で、心の底から拍手してくださっているので、やっている側としては、たまらないものがあるみたいなんです。あの空間でお客さんもやっている側もみんなで熱波を共有すると特別な感覚になりますし。彼らも『サウナイキタイ』なんかで自分たちの評判をエゴサしてるようで(笑)、それがまたモチベーションになっている。僕は僕でヨーロッパのアウフグースで使っているような香りやいろいろな最新のものを彼らに提供して。施設全体で楽しんで行うことが質の向上にもつながっているんじゃないかなって。100人同時に入れる日本初のアウフグースショー専用サウナ「サウナシアター」を作ったのは、アウフグースを頑張ってる彼らに最高の舞台を用意したいという想いもあったからなんです。

日本のサウナはトップレベル
アウフグースの世界大会を日本で

 経営的に言うと、あんなの本当は作っちゃいけないと思うんですよ(笑)。僕はわりと手堅い経営をする方ですから、自分らしからぬ感じです。

 でも、僕は国際サウナ協会の理事もやっておりまして、将来、日本にアウフグースの世界大会を誘致したいと思っているので、そのために施設を整えておきたかったという気持ちが大きいんです。