
7大商社(三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、丸紅、住友商事、豊田通商、双日)の序列が激変しそうだ。2026年3月期の連結純利益予想は、伊藤忠商事が財閥系の三菱商事と三井物産を上回る見通しだ。伊藤忠は5年ぶりの首位奪還を視野に入れる。だが、それだけではない。実は、長らく王者に君臨してきた三菱商事は3位に後退するだけでなく、トップ3から陥落する最悪のシナリオも浮上している。特集『激動!決算2025』の本稿では、三菱商事の苦境ぶりを明らかにしていく。(ダイヤモンド編集部 猪股修平)
伊藤忠は堂々の「財閥商社超え」宣言
26年3月期に大手商社の序列が激変
「常にわれわれは(総合商社の)第1番を、もう一度奪還する目標がある。われわれとしては今期、来期ぐらいにはぜひ達成したい」。4月1日、東京・青山の伊藤忠商事本社で報道陣の取材に応じた、岡藤正広会長CEOはそう宣言した。
それから1カ月後、総合商社の2025年3月期の決算が出そろった。26年3月期の連結純利益見通しは、伊藤忠が9000億円となり、2位の三井物産に1300億円もの差をつけるものとなった。実現すれば、伊藤忠が念願の財閥系商社超えを5年ぶりに果たすことになる。
ただし、商社の序列激変は伊藤忠の首位の再奪還にとどまらない。実は、王者である三菱商事がトップ3から陥落するシナリオがにわかに現実味を帯びているのだ。次ページでは、三菱商事の迷走ぶりを明らかにしていく。