それから10年。渡邉さんの経営塾に参加した私は、あの打ち上げのときに一緒に撮った写真をお見せして、「何か一緒にやらせてください!」と直談判しました。今、私はワタミが展開する「から揚げの天才」「bb.qオリーブチキンカフェ」のFC開発の支援に携わっています。

 本当に会いたい人がいたら、空気を読んでいる場合ではありません。ダメで元々。なりふりかまわず突撃してみてください。相手に「こいつはおもしろい奴だ」と思わせたら、こっちのものです。

相手のある行動では
テイクよりギブ

 なんだ、メールを入れればいいんだ。そう思ったあなた、ちょっと待ってください。

 SNSが登場したことで、今は見知らぬ人にダイレクトメッセージで簡単にオファーできるようになりました。スマホ1つで、数行でお願いできてしまうのです。

 ところが、見知らぬ人からのオファーを受け続ける側は、イライラが募ってしまいます。

 行動することは大事ですが、相手がある行動の場合、自分の一方的な都合で行動に移すのは考えもの。人がお願いを聞いてあげるのは、その人との信頼関係ができているときです。信頼している相手、あるいは信頼できそうな相手のためなら時間を使ってあげようという気になりますが、まったく信頼関係がない相手からの誘いに乗ることはまずありません。

 私自身、いろんな所に顔を出すタイプですが、それでも誘いを断ることがあります。たとえば、まだそれほど信頼関係ができていない相手からSNSで「今度、セミナーに参加しませんか?」と誘われて、くわしく聞いてみたら会費が5000円だったとき。

 信頼関係ができている相手なら、その人を応援する意味を含めて参加することはありますが、そうでない人にいきなり時間とお金をかけるのは躊躇します。そうしたときは、誘ってくれたことへのお礼を伝えたうえで、「ほかに予定があるので」とお断りすることがあります。

 よく来ませんか?「御社のお役に立ちます!」という営業メール。こちらの都合も聞かずに、自分の都合で会おうとしてきます。売りたいという下心が見え見えです。

 私もファックスDMというのを使ったことがあります。ところが、1000通送って、反響は1件あるかないか。中には「2度と送ってくるな!」という怒りの反応もありました。自分の利益だけを考えたアプローチは、相手に見透かされます。