私がワタミにいきなりメールを入れたとき、「渡邉さんに会わせてください」と記したわけではありません。「私に何かお手伝いできることはありませんか?」とアプローチしました。テイクではなく、ギブから入ったのです。

 相手がある行動の場合、「あなたのために何かしますよ」というアプローチのほうが結果につながりやすいのです。「○○に参加しませんか?」「○○をお願いします」といったテイクからは入らないほうがいいのです。

 相手に対して自分は何ができるのか? 無理する必要はありません。自分ができる範囲内で、相手に対してできることを、こちらから提案すればいいのです。相手に役立つ行動を起こしていくと、次のステップにつながりやすくなります。

0.01歩でいいから
踏み出してみる

 人は自主的に行動を起こすとき、嫌なことから始めることはあまりありません。好きなこと、やりたいこと、やりやすいことから始めます。やらなければならない仕事があれば、たとえ嫌でもやらざるをえません。しかし、やってもやらなくてもいいなら、嫌なことはやらないでしょう。

「自分を変えたい」「新しいことにチャレンジしたい」

 そんな気持ちがわいてきたら、まずは好きなことから始めてみればいいのです。

 とはいえ、やりたいと思いつつも、なかなか一歩を踏み出せないこともあるでしょう。好きで楽なことならすぐに始められる一方で、リターンが大きいからやりたいけれども面倒くさいこともあるはずです。

 それなら、はじめの一歩ではなく、はじめの0.5歩でいいのです。半歩もしんどいなら、0.1歩でもいい。それもキツいなら、足を少しズラすくらいの0.01歩でいい。

 0のままでは何も変わりません。現状維持です。悪くならないかもしれませんが、良くもなりません。しかし、1ミリでも前にズレるだけで、そこから何かが始まります。「0か0以外か」が大きな分かれ目なのです。

 とりあえず、興味を持ったことを始めてみることです。たとえば、かつてはプレゼンテーションの資料をつくるとなるとパワーポイント1択でしたが、キャンバ(Canva)という新しいデザインツールが出てきました。このキャンバに興味を持ったなら、まずは使ってみるのです。このほんの小さな一歩から、新たな広がりが生まれるかもしれません。

 それこそ、アマゾンでポチッて本を買うのも立派な行動です。それはほんの小さな0.01歩かもしれません。しかし、その本に書かれているおすすめの本も読んでみたり、その著者のセミナーに参加してみたりといった次なる行動につながっていく可能性があるのです。