東大生はコンサルティング系企業
京大生は関西本社・メーカーに関心
東大生と京大生共に1位にランクインしたのはアクセンチュア、2位は野村総合研究所という結果となった。
二つのランキングを比較分析すると、東大生のランキングでは、マッキンゼー・アンド・カンパニーやボストン・コンサルティング・グループ、三菱総合研究所といったコンサルティング・シンクタンク業界の企業がランキングの半数以上を占めており、東大生の根強いコンサル系企業への関心の高さがうかがえる。
京大生のランキングでは、関西電力、サントリー、パナソニックといった関西に本社を置く企業が多くランクイン。一方で、旭化成、トヨタ自動車といった大手メーカー企業もランクインする結果となった。
東大生、京大生が注目した企業ではどういった働きがいや成長環境があるのか、新卒入社した社員のクチコミ(原文ママ)から見てみよう。
「一緒に働くチームメイトは頭が良くやる気のあること、上司も基本的にいつもサポーティブであること、クライアントは○長級(本部長、部長など)が多く大きなワークストリームを任せてもらえること、パフォーマンスが評価ないし給与に直結していること等から、働きがいはかなりあると思う。(コンサルタント、女性、マッキンゼー・アンド・カンパニー)」
「周りが優秀な人ばかりなので、いやでも切磋琢磨される。係る案件も新聞紙面を飾るような大規模案件が多く、結果が見えるので士気も自然と上がる。(投資銀行、男性、ゴールドマン・サックス証券)」
「日常生活をおくるのに欠かせない電力を通じて社会全体を支えているという実感がある。また、新規事業など電力会社というスケールの大きさを活かした新しいフィールドでのチャレンジができる。(技術系総合職、男性、関西電力)」
「各々に与えられる裁量が広いため働きがいは高いと感じる。素材メーカーならではの自由度の高いビジネスをつくる楽しさが経験できる。(技術職、男性、旭化成)」
注目度が高い企業の共通点としては、「20代成長環境」への社員からの評価が高いことが挙げられる。(上位5社中4社は「20代成長環境」の社員評価スコアが4.5超)。実際に企業の採用サイトをのぞくと、「早期から裁量権が与えられる」「20代のうちにリーダー職になる人が多い」といった発信が多く見受けられる。
背景として、「転職前提の就職活動」という若い世代のキャリア観、ジョブ型雇用の推進などによるキャリア初期におけるスキルセットへのニーズの高さが考えられる。また、最近では「ゆるい職場」、「クワイエット・クィッティング(静かな退職)」という言葉を見かける機会が増えており、今後ますます若手の裁量権の大きさに関する注目度は増していくことだろう。