スープストック、離乳食提供で「勝手に騒ぐSNS」への毅然とした声明に賞賛写真はイメージです Photo:PIXTA

女性を中心に人気を集める「スープストックトーキョー」が、離乳食の無料提供を発表したところ、家族連れや子どもを嫌う一部のネットユーザーから反発があった。さらに、こういったユーザーをからかってあおるネットユーザーも現れ、今日もネット上では見たくない人々の争いが可視化されている。そんな中、「スープストックトーキョー」は、近年の企業対応としては希有(けう)とも言える、まともな声明を26日に発表した。(フリーライター 鎌田和歌)

勝手にユーザーが
スープストックトーキョーで「から騒ぎ」

 関東を中心に全国で展開するスープ専門店チェーン「Soup Stock Tokyo(スープストックトーキョー)」が、4月26日に公式サイトで発表した声明に注目が集まっている。

 同社では4月25日から、離乳食後期(月齢9〜11カ月頃の乳児のための離乳食)の全店無料提供を開始。この告知を4月18日に発表したところ、スープストックトーキョーがこれまで一人客への集客に力を入れていた様に見えたこともあってか、ネット上では裏切られたと感じた人からの批判などさまざまな反響があり、話題となっていた。

 はじめにことわっておきたいが、現在「スープストックトーキョー」を検索すると「炎上」がサジェストされるし、この件もネット上で「スープストックトーキョーが炎上」などと表現されているのを見かける。

「炎上」というと、たとえば飲食店で非常識な振る舞いをする投稿をした一般ユーザーが「炎上した」など、非難を浴びる行動について表現されることが多い。企業の場合でも、その後、謝罪が必要となるような事態について「炎上」が用いられる。

 しかし、この件について同社に何か非があったとは思えないし、ネット上でもスープストックトーキョーが悪いと考えている人の方が少数派だろう。むしろ4月26日に発表した声明には称賛が集まっているし、そもそも発端となった離乳食の全店提供は、企業として落ち度のあるサービスではない。

 単にネット上でさまざまな人が意見を言い、そこに対立が生まれたことを、発端となった当事者に非があったかのように「炎上した」と表現することに以前から筆者は違和感を覚えている。このような件はネットユーザーが「放火」したというほうが合っているように思うが、「放火」では剣呑(けんのん)なので、「から騒ぎ」などとしたほうがよいだろうか。