NISA抜本拡充が中間層の資産所得倍増には「力不足」な理由Photo:PIXTA

家計の金融資産形成の支援
経済成長のためにも重要

「新しい資本主義」をかかげる岸田政権は、中間層拡大を狙った「資産所得倍増計画」で、NISA(小額投資非課税制度)の非課税枠大幅拡大や制度の恒久化を打ち出した。

 NISAの拡充や金融教育の拡充などで、家計貯蓄を資産運用に回して経済成長につなげようというものだ。

 家計金融資産を「貯蓄から投資へ」と変える必要性は、長年言われてきた。

 だが、流れは変われないまま、超低金利が続くなかで預金利子が減り、家計の財産所得はこの半世紀あまりで半減、消費停滞が経済の足かせにもなっている。

 成長を考える上でも家計の資産形成を支援することは重要な課題だが、「NISAの抜本的拡充」は成長のけん引役になれるのか。

 目指す方向は正しいが、これだけでは「力不足」と言わざるを得ない。