「NISA抜本拡充」が資産所得倍増の有効打になるための条件Photo:PIXTA

「貯蓄から投資へ」で
NISAの抜本的拡充を検討

 岸田文雄首相が掲げる「貯蓄から投資へ」「資産所得倍増計画」を推進する狙いで、金融庁が公表した「2023年度税制改正要望」で、税制面から個人の投資拡大を促すことを狙って、NISA(少額投資非課税制度)の抜本的拡充が提案された。

 政府が目指すのは、個人の投資資金を活用して企業が成長して、その恩恵を個人が投資収益として獲得する、さらにそれが消費拡大を通じて企業の成長を後押しする、といった好循環の実現だ。

 果たしてNISAの抜本拡充が資産倍増の有効打になるのか、それには3つのことを一体で進める必要がある。

3つのNISAを一本化
非課税期間や投資枠を拡大

 日本の個人金融資産は約2000兆円に上るが、そのうち、現預金の割合は約54%と5割を超えている。

 他方、株式・投資信託の割合は約19%と、米国の約55%、英国の約42%と比べてかなり低い状況だ(数値は2021年末)。