日本人の死因のトップであるがんは、細胞分裂するときに起きる細胞のコピーミスが原因です。そのほとんどは小さなうちに免疫細胞が退治していますが、ストレスによって免疫力が低下すると、免疫細胞の攻撃をすり抜けたがん細胞が増殖してがんになってしまうのです。
ネット検索が
不調を招く「心気症」
●症状を検索しただけなのに……
色々な情報をスマートフォンやパソコンでさっと検索。とても便利ですが、この手軽さが心の毒を招いてしまう恐れがあります。
痛みや不快感が続くとき、症状をネットで検索したことはありませんか。それで解消できればよいのですが、予想もしなかった病気、仮に大腸がんの初期症状にあてはまったとすると、「自分は大腸がんなのだ」と思い込み、病気のことしか考えられなくなってしまいます。すると、心配を加速させてしまう情報ばかりが目に入るようになり、その心理状態が、実際に身体症状を引き起こすことさえあるのです。こうした、目に入った情報が原因で極度に心配し、不安にとらわれてしまう「サイバー心気症」が非常に増えています。
サイバー心気症の改善に有効なのは、スマートフォンやテレビといった不安をあおる情報源を絶つこと。さらに、質のよい睡眠や食養生で自律神経を整えると、ほとんどのケースは改善します。2週間経っても改善しない場合は、実際に医療機関を受診するのも1つの解決方法。本当に病気なら早期治療ができ、そうでない場合は「病気ではない」と知ることで、心の平安を取り戻すことができます。
ストレスがあると
全くやせない理由
●食欲がコントロールできなくなる!?
「ストレスがたまるとつい食べ過ぎてしまう」という経験がある人は多いのではないでしょうか。実はこれは自然なことで、決して意思の弱さで起こるわけではありません。
ストレスと食欲には様々なホルモンが関係しています。そのうちの1つが、ストレスを感じると分泌される「コルチゾール」。体を興奮状態にしてストレスを乗り切ろうとする働きがあるのですが、同時に食欲を抑える「セロトニン」というホルモンの働きを抑制。これにより食欲が増してしまうのです。
また、空腹でもないのに食べてしまう「エモーショナル・イーティング(感情的摂食)」というものがあります。そもそも空腹には2つの種類があり、1つは体のエネルギー不足から起こる「生理的空腹」、もう1つはストレスによって感じるニセモノの食欲による「心理的空腹」です。生理的空腹は食べれば解消されますが、心理的空腹はいくら食べても満たされません。対処法としては、過度な食事制限をやめる、食べ物を見えない所に置くなどがありますが、最も有効なのは、規則正しい生活を送りながら、ストレスを発散してためないようにすることです。