テレビのニュース番組などで「銀行の金利が…」「年金の支給開始年齢の引き上げが…」などといった言葉を耳にしても、なんとなく聞き流している人も多いでしょう。しかし、経済の情報は実は私たちの生活にとても関係が深いものです。『僕らの未来が変わる お金と生き方の教室』(監修:池上彰、出版:Gakken)では、お金のことと自分の生き方について、わかりやすく解説しています。今回は銀行がつぶれない仕組みについて解説します。
銀行にはお金を
創造するしくみがある
銀行は集めた預金を使って貸付をしていますが、貸し出しすぎて預金がなくなることはないのでしょうか。
結論からいえば、すべての預金者が一斉に全額を下ろすだけのお金は銀行には残っていません。多くの預金は貸付に回っているからです。
驚きですか? あわてて預金を下ろしにいきますか?
ちょっと待ってください。銀行には預金を守る制度がしっかり整っていて、さらに、できるだけ多くの人に貸し出すことのできるしくみがあります。
まず、預金を守るしくみとして「ペイオフ(預金保険)」という制度が法律で定められています。この制度では、 もし銀行がつぶれた場合には、1つの銀行につき、1人1000万円までとその利息分が全額保護されて支払われます。預金が1000万円以下の場合は安心ですね。1000万円を超える預金がある場合は、いくつかの銀行に分けて預金するのがいいかもしれません。
一方の貸付には、「信用創造」というしくみがあります。預金が預金を生み出す、まるで銀行がお金を創り出すかのような貸付のしくみで、これによって銀行は世の中に回るお金を増やしているのです。次のページにそのしくみを解説したので、読んでみてください。