アキレス腱は「企業の過剰債務」Photo:PIXTA

金融引き締め効果、企業が中心に
変わる米国の債務構造

 米国では歴史的なペースで金融引き締めが実施されてきたが、そのもとでも経済はなお失速には至っていない。

 金融引き締めの影響がまず金利に敏感な個人の住宅投資、自動車購入の悪化をもたらし、その影響が経済全体に波及する形で景気が後退に陥るというのが過去の典型的なパターンだった。

 しかし、住宅投資が2年間減少を続ける中でも、経済全体の安定はまだ大きく崩れていない。

 リーマンショック(グローバル金融危機)後、家計の債務抑制が進んだことが背景だが、その一方で懸念されるのは歴史的な高水準になる企業の過剰債務だ。

 今後、引き締めの影響は企業部門を通じて表面化する可能性が高い。

 中堅地方銀行の破綻以降、くすぶる銀行不安も預金流出は収まったように見えるが、格付け企業などを対象にした企業向けの資金供給チャネルが金融危機の新たな震源地となる懸念がある。

 政府債務上限引き上げ問題が一段落しデフォルトは回避されたが、金融市場不安定化の“火種”は残っている。