なんとなく読むのはもったいない!できる大人の「要約力」なんとなく読むのはもったいない!できる大人の「要約力」とは?(写真はイメージです) Photo:PIXTA

中学・高校生だったころ、国語の授業やテストで取り組んだ「要約問題」。「次の文章を読んで、その内容を○文字以内でまとめなさい」といわれても、どこから手をつけたらよいのかわからずに困った、という人も少なくないかもしれません。河合塾の現代文講師小池陽慈さんは、「要約力」というのは、学校の勉強やテストのためだけのものではなく、現代を生きる社会人にとって重要なスキルであるといいます。なぜ、大人にとって「要約力」が必要なのか、それを身につけることによって、どんな“地平”がひらけるのか――。本稿では、近頃上梓された『できる大人の「要約力」 核心をつかむ』(青春出版社刊)から、要約の重要性と、思考力と発信力をつける読み方について、抜粋して紹介します。

「なんとなく読んでいる」から一歩抜け出すために

 要約はなぜ大切なのか。

 それについては、さまざまな答えを挙げることができます。

 まず、要約を作成するには、丁寧に文章を読む必要があります。いいかげんに流し読みをするのでは、文章の大切なポイントをつかむことはできませんからね。となると必然的に、要約を意識すると、文章を読む際の集中力が上がる。結果として文章に対する理解も深まることになります。