退職募集や人員削減のニュースに事欠かない昨今の製薬業界。人材の流動化が増す業界において、今や最大の関心事は、次はどこが、いつリストラをするのかである。特集『決算書で読み解く! ニュースの裏側 2023夏』(全27回)の#1では、過去10年間の国内製薬大手3社の財務諸表を分析。その結果、リストラの時期と規模を予測可能な指標が見つかった(ダイヤモンド編集部 野村聖子)
財務徹底分析で判明!
製薬各社の「次のリストラ」
もはや、日本の製薬業界ではリストラは珍しくない。最大手の武田薬品工業のみならず、エーザイや大正製薬HDなど中堅でも、行われてきた。
それでは、次のリストラは、どの製薬会社で、いつ実施されるのか。
大規模なリストラをすると、財務諸表においてその“結果”は、期末のPL(損益計算書)の「特別損失」に表れる。実は、その逆に“前兆”を捉えることも可能なのだ。
次ページでは、武田、第一三共、アステラス製薬の過去10年間の財務諸表とリストラの実績を照合。すると、ある項目からリストラの前兆があぶりだされた。
リストラが行われる可能性があるのは、どの会社なのか。どれくらいの規模なのか。詳細な金額と経営陣の方針とともに解説していこう。