20年以上多くの読者に選ばれ続けてきた大学案内『大学図鑑!』が今年もパワーアップして発売された。現役生・OB・OGら5000人超のナマの声によってつくられた本書は他の大学選びのひとつの手段として選ばれている。本記事では最新版である『大学図鑑!2024』の出版を記念して、内容の一部を抜粋し再編集してお届けする。(本記事は2022年12月時点に執筆した『大学図鑑!2024』をもとにしています)
医学部だけ2つの別キャンパスだが、他は全部集結しており、実質的にノー学部割れ、ノー学年割れ大学。
東山キャンパス
名古屋市東部の新興住宅地にある。ナゴヤドーム14個分のキャンパスはとにかく広い。キャンパスを一周するには、軽く1時間以上かかりそうだ。広すぎるため自転車は必須。「坂が多いので原付かバイクが望ましい」との声も。
かつてはネズミ色の校舎が立ち並び、工場のように殺風景だったが、理系キャンパスを中心に校舎の改修が進んでいる。ガラス張りのシャイニーな建物も増え、私大並みのこじゃれたキャンパスに。名大ゆかりのノーベル賞受賞者の記念館である赤﨑記念研究館、野依記念館、ES総合館があり、その3ヵ所を巡るルートは通称「ノーベルロード」。2014年の赤㟢、天野両博士の受賞以降、学外からの見学者でにぎわう。大学グラウンドは、「山の上」と呼ばれている。
近所のおっさんが犬の散歩をしていたり、おばちゃんが生協で買い物をしていたりするが、それを「門も塀もない市民に開かれた大学」だとウリにしている。ちなみに、入学式などが行われる豊田講堂は漢字の「門」の字をイメージしたデザイン。講堂前に広がる芝生では、寝転んだりキャッチボールをしたりする学生の姿も。片側二車線の公道「山手グリーンロード」が、キャンパスを東西に分断しており、この道路沿いに「名古屋大学」駅の出口が3つある。大学名が駅名になっていることが名大生には誇りである。
学食は生協が運営する南部食堂1階の「Mei-dining」、きしめんが食べられる「キッチンフレンドリィ南部」などがあり、カフェも多い。だが、「学生数に対して食堂が狭く、長い列に並ぶ必要がある」(経済学部生)と学生は不満気味。図書館はスターバックスを併設。市民にも開放している。図書館の前の第2グリーンベルトと呼ばれる緑の広場は、カップルが戯れるスポットで、夕方以降は独特の空気になるのだとか。
かつての最寄り駅だった地下鉄東山線本山駅周辺はそこそこ開けていて、飲食店には事欠かない。居酒屋、カラオケボックスなども、不自由しない程度にはある。
鶴舞キャンパス
JR中央本線鶴舞駅から徒歩5分の鶴舞キャンパスは、名古屋駅から15分、鶴舞公園そばの緑に囲まれたのどかな環境。最新設備が整っている。附属病院も併設。
大幸キャンパス
地下鉄名城線ナゴヤドーム前矢田駅から徒歩5分の大幸キャンパスは、ナゴヤドームのすぐ近く。「学食や購買が狭い」「他学部との交流がなくなり、ここで活動しているサークルも少ないのがさみしい」との声も。