物流危機#12Photo:PIXTA

物流危機を回避するソリューションの一つとして期待される「ドローン物流」は、法制度が整備され、夜明け間近。大手物流会社や異業種がタッグを組み、全国各地で実証実験が進む。空を制するのはどの陣営か。特集『物流危機』(全14回)の#12では、各社の状況や普及への課題をレポートする。(ダイヤモンド編集部 土本匡孝)

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ドローン物流の実証実験に
多業種が参画して大にぎわい

 2022年は「ドローン物流元年」――。

 一部の物流業界関係者の間でこう騒がれているのは、ドローン運航区分における最終段階「レベル4」(有人地帯における目視外飛行)が今年12月ごろに解禁される見込みだからだ。

 これまで解禁されていた「レベル3」(無人地帯における目視外飛行)では、山間地域や離島間など、運航できる環境が限定されていた。レベル4が解禁されれば、いよいよ全国各地の空を本格的にドローンが飛び交うことが可能になる。

 レベル4解禁を見据え、医薬品、食料品、日用品など、さまざまな物をドローンで運ぶ実証実験が全国各地の空で行われている。メンツは大手物流のほか、航空、通信、小売り、医薬品卸、ベンチャーなど。多くの場合は複数社がタッグを組み、現在できるレベル3までの範疇で実証実験を重ねている。

 空の物流を制するのはどの陣営なのだろうか。