グーグルが新しいラップトップ・コンピュータ「クロームブック・ピクセル」を発表した。最近次々と自社製ハードウェアを発売してヒットも飛ばしているグーグルだが、このクロームブックについては評価が二分されている。

 何と言ってもびっくりするのは、その価格だ。Wi-fi対応型(32GB)で1299ドル、LTE通信対応型(64GB)が1449ドル。ネクサス・シリーズのタブレットで格安ぶりをアピールしてきたグーグルにしては、かなり高価だ。いったいグーグルが何を考えているのかと、業界関係者は頭を悩ませている。

MacBook Airとの比較で分かる
クロームブック・ピクセルの価格の高さ

 クロームブックは、グーグル社製ブラウザをベースにしたネットブックで、基本的にすべての作業をインターネット接続状態で行うことを前提にしている。グーグル独自のクロームブックもこれまでに出ているが、サムスンなど他社製のものもある。インターネットのブラウジング、Gメール利用はもちろんのこと、ユーチューブのビデオを見たり、ストリーミングで音楽を聴いたり、グーグルドキュメントで作業したり、ビデオ会議をやったりといった多様なことが、今やネット上で可能になっている。これを使えば、そうした作業がブラウザを立ち上げることなくスムーズに行えるというわけだ。限られたことならば、オフラインでも作業ができる。

 だが、今や多くの作業がインターネット上で可能になったとはいえ、オフラインでやることがなくなったわけではない。必要なソフトがすべてインターネット上に揃っているわけではないし、また接続していない状態で作業し、自分のコンピュータの中に保存しておきたいファイルなどもあるだろう。

 そんなこともあって、これまで出てきたネットブックは安いことが売りだった。200ドルを切る価格のものもあれば、400ドルほどのものもある。しかし、1000ドルを超える製品はなかったのだ。そもそも、ネットブックは、自分側にあるハードウェア、つまりクライアントがシン(軽快)であるというのがコンセプトだったはずなのだ。だから安い。ところが、このクロームブック・ピクセルの高価格は何だ?