各社の採用大学「不動の1位」は
名大、早大、九大

 22年のランキングでは、トヨタは1位が前年に続いて名古屋大となった。2位には前年9位だった大阪大が、3位に同じくトップ10ではランク外だった立命館大が浮上している。ホンダは1位が前年と変わらず早稲田大、2位は慶應義塾大、3位は東北大と東京大だ。そして日産は、1位と2位が前年と変わらず九州大、東京工業大となり、3位に東京大と京都大が浮上した。

 こうして見ると、各社には「不動の1位」といえる大学が存在し、採用人数で2位以下に少なからぬ差をつけているケースが多い。

 企業別に見ると、トヨタは自社のお膝元に立地する名古屋大や名古屋工業大からの採用が多く、ランキングに地域性が比較的強く表れている。大阪大、立命館大、京都大、同志社大など、地元から地理的に近い関西の大学も上位に多くランクインしている。

 ホンダは私立大からの採用が比較的多く、日産は難関の国立大、私立大からバランスよく採用している印象だ。

 就職を目指す学生の競争倍率は各社ともかなり高いと思われるが、採用は必ずしも有名大学に偏っていないことがわかる。激動の時代を迎える自動車業界では、周囲を巻き込んで新しい仕事に挑戦していく「人間力」こそが、最も重視されるようになるだろう。

*この記事は、株式会社大学通信の提供データを基に作成しています。

【ランキング表の見方】
医科・歯科の単科大等を除く全国743大学に2022年春の就職状況を調査。558大学から得た回答を基にランキングを作成した。就職者数にグループ企業を含む場合がある。大学により、一部の学部・研究科を含まない場合がある。各大学とも大学院修了者を含む。東京大学は「東京大学新聞」、京都大学は「京都大学新聞」より集計。大阪公立大は統合前の大阪市立大と大阪府立大の実績を掲載した。(調査/大学通信)