韓国で長く読まれている勉強の本がある。1冊は、日雇い労働をしながら4浪の末、ソウル大学に首席で合格した『勉強が一番、簡単でした』(70万部)。韓国では「受験の神」と称され、勉強に携わるもので、その名を知らない人はいない。日雇い労働者からソウル大学首席合格者になるまで、人生の大逆転を成し遂げた、韓国で知らない人はいない奇跡の物語。読後、勉強したくなる自分に驚くはず。超ロングセラー本『勉強が一番、簡単でした』から、その驚くべき内容を紹介する。

勉強が「つまらない」から「面白い」に変わる瞬間【後編】Photo: Adobe Stock

学ぶことの楽しみ

 勉強から感じる面白さの2つ目は、自分の能力が拡大したことから来る快感だ。勉強も一種の脳の作用だ。すなわち頭を使うということだ。体の一部を集中的に使えば、その部分の活動能力が伸びていく。同様に、頭もよく使っていれば、能力が開発されるのは当然だ。

 科学者によれば、いかに優れた知力を持った人間でも、脳全体の20%しか使っていないというのだから、人間の頭脳が持つ可能性は、ほとんど無限大だと言っていい。

 勉強していると、自分の頭がどんどんよくなっていることが生き生きと実感できる。私について言えば、20歳当時の自分といまの自分を比べると、総合的な理解力や思考力、暗算能力、記憶力、さらには自分のような平凡な人間にはまったく理解不能だった3次元の立体に対する連想力などが、比べものにならないほど向上したと思う。

 IQの数値にどれほどの信頼性があるのかわからないが、高校時代に113だった私のIQも、いま検査すればもっと高くなっているかもしれない。このように自分に日に日に力がつき、能力が高まるのを知ったとき、満足感を抱かない人はいないだろう。

 精神的な喜びは物質的快楽とは違って、ゼロサムゲームではない。個人や特定の集団がその喜びをたくさん抱いたからといって、他の人々の取り分がそれだけ減るということはない。「知」とは、人間の短い人生をより広く、深く生きられるようにしてくれるものだ。学びの楽しみを力説した孔子の言葉は、いつ聞いても新しい、永遠の真理なのだろう。

(本原稿は70万部のベストセラー『勉強が一番、簡単でした 読んだら誰でも勉強したくなる勉強法』から一部抜粋したものです)